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企画・製作

映像ビジネスの出発点。全てはここから始まる。

お客様からチケットの料金をいただくところが、“ビジネスにおける川下”となる映画ビジネス。“川上”にあたるのが「企画・製作」という仕事です。東宝では、「映画調整」「映画企画」そして、2018年に新設した「ミュージック&エンタテインメント企画」という部署がその業務を担っています。

●映画調整

東宝が全国の劇場で上映する(劇場に配給する)映画作品は年間に約30作品あります。
東宝が自社で製作する企画やテレビ局や外部のプロダクションと共同で製作する数多くの企画の中から、年間のラインナップを「編成」するのが映画調整部です。シリーズアニメ作品、テレビ局製作作品、そして自社製作作品の3つを柱として、東宝の営業、宣伝の力を活かしてヒットを狙える作品を編成し、ジャンルやターゲットとなる客層など、さまざまな要素を考慮しながら、映画営業部と連携して、公開時期を決めていきます。
シリーズアニメ作品としては、『映画ドラえもん』『映画クレヨンしんちゃん』『名探偵コナン』『劇場版ポケットモンスター』『映画妖怪ウォッチ』などのシリーズがあり、テレビ局製作作品としては、2018年公開では『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』『祈りの幕が下りる時』『ちはやふる ー結びー』などの作品があります。
そして、東宝の自社製作作品としては、2018年公開では『検察側の罪人』『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』『来る』などの作品があります。近年は、実写だけでなく、『君の名は。』に代表されるような劇場用長編アニメの自社製作にも力を入れています。
映画製作において製作委員会方式が主流である現在、映画調整部は製作委員会各社との交渉窓口としての役割を果たしています。

○映画調整部の構成

映画調整室
実写・アニメを問わず、恋愛モノから時代劇まで、さまざまなジャンル・ターゲットの企画を幅広く編成していきます。そこには、自社で製作する作品から、テレビ局や外部プロダクションと共同で製作する作品も含まれます。自社製作の場合には、映画企画部と連携しながら作品をプロデュースしていきます。
契約管理室
映画製作における契約業務を行います。契約はビジネスにおいて必要不可欠なもので、製作委員会各社との契約のほか、映画調整室の取得したさまざまな権利(配給、ビデオグラム発売・販売、テレビ放映など)に伴う契約や、各種権利の管理・運営業務、近年重要度の増してきた著作権侵害への対応の判断も行っています。

●映画企画

劇場用実写映画を中心に、劇場用長編アニメ、テレビドラマも含めた映像作品の企画・制作を行っています。
2019年公開予定の劇場用映画作品としては、『フォルトゥナの瞳』『君は月夜に光り輝く』『アルキメデスの大戦』『蜜蜂と遠雷』等を製作しています。

○映画企画部の構成

映画企画室・映画製作室
映像作品の企画・制作を行うプロデューサーが所属します。プロデューサーは、どんな観客に向けたどういう魅力を持つ作品を作るのか、といったコンセプトを立案し、あらゆる情報や人脈の中から企画の種を探してアイデアを練ります。その企画が漫画や小説であればその映画化・テレビドラマ化権を取得し、監督や脚本家の選定、脚本推敲、キャスティング、撮影スケジュールの調整、撮影現場や編集作業の立ち会いという、企画・製作の全工程に責任をもって携わります。さらには、映画作品であれば、作品完成後も宣伝方針・プランの検討や製作委員会の取りまとめを、劇場公開後にはDVD/Blu-ray Disc化の企画検討やさまざまな利用の際の調整なども行うなど、作品の企画から公開後のさまざまな利用まで一貫して関わります。プロデューサーは、企画を、ヒト・モノ・カネを使ってビジネスに仕立てていく仕事だといえます。
管理室
映画企画部が制作する全作品の収支予算の管理を行います。映像作品の制作において予算コントロールは重要です。撮影の準備段階から作品が完成するまで、作品制作の費用を中心に管理します。また、原作者、脚本家、監督などと契約を締結し、作品の制作・利用に必要な権利の取得も行います。

●ミュージック&エンタテインメント企画

音楽配信が一般に普及し、ライブエンタテインメント市場が著しく成長を遂げるなど、音楽マーケットは2010年以降V字回復しています。またYouTubeで音楽と映像を楽しむことも日常となり、大人から子供まで主題歌を口ずさめるような音楽映画やミュージカル映画が大ヒットするなど、“音楽の力”を利用した作品が、国内外を問わずますますお客様から求められています。そのような中、音楽を核に映画・映像・演劇を含むライブエンタテインメントを、ジャンルを横断して能動的に企画立案する部署として、2018年にミュージック&エンタテインメント企画室は新設されました。専任のメンバーだけでなく、各部からプロデューサーが参画しており、部署を横断し企画プロデュースを推進する部門として、さまざまな企画が進行中です。

【近年の東宝の自社製作作品】

『『検察側の罪人』©2018 TOHO/JStorm『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』©「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE」製作委員会 ©堀越耕平/集英社『SUNNY 強い気持ち・強い愛』©2018「SUNNY」製作委員会
●2015
『ストロボ・エッジ』
『寄生獣 完結編』
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』
『バクマン。』
『orange-オレンジ-』
●2016
『アイアムアヒーロー』
『世界から猫が消えたなら』
『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』
『シン・ゴジラ』
『青空エール』
『君の名は。』
『後妻業の女』
『怒り』
『何者』
『ボクの妻と結婚してください。』
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
●2017
『恋妻家宮本』
『3月のライオン【前編】』
『3月のライオン【後編】』
『追憶』
『君の膵臓をたべたい』
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』
『関ヶ原』
『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』
『亜人』
『ナラタージュ』
『火花』
『未成年だけどコドモじゃない』
●2018
『嘘を愛する女』
『坂道のアポロン』
『となりの怪物くん』
『ラプラスの魔女』
『のみとり侍』
『恋は雨上がりのように』
『OVER DRIVE -オーバードライブー』
『羊と鋼の森』
『センセイ君主』
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』
『検察側の罪人』
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
『響 -HIBIKI-』
『散り椿』
『億男』
『来る』

【過去の代表的なテレビドラマ作品】

放送年 タイトル 放映回数
1972 太陽にほえろ! 718回
1974 傷だらけの天使 26回
1988 教師びんびん物語 13回
1990 刑事貴族 37回
2000 トリック 10回
2002 真珠夫人 65回

【近年のテレビドラマ作品】

放送年 タイトル 放映回数
2011 最上の命医 10回
2011 ジウ 警視庁特殊犯捜査係 9回
2012 MONSTERS 8回
2013 警部補 矢部謙三2 8回
2014 ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~ 11回
2016 ダメな私に恋してください 10回
2016 仰げば尊し 8回

◎用語解説

製作委員会
映画製作には巨額の資金が必要になります。現在日本のほとんどの作品で採用されている方式が「製作委員会」です。従来は1つの映画会社が製作費を全額負担して製作されていた日本映画ですが、1980年代に入り複数社での共同製作が増え、製作委員会という名称が使用され始めました。
製作委員会は、映画会社・テレビ局・出版社・新聞社・広告代理店・通信/インターネット事業会社など複数の会社により組成され、映画の製作費を分担して拠出することで、一本の映画を完成させ、共同で著作権を持ち合います。また、製作委員会を構成する各社がそれぞれの「強み」を発揮することで、良い環境や条件で映画を製作することができるほか、作品のヒットに向けて宣伝面でも協力し合います。
現在、東宝で製作・配給される映画は製作委員会によって製作されるものがほとんどですが、2016年7月に大ヒットした『シン・ゴジラ』は東宝1社の資金による製作で、製作委員会を用いない成功例でした。

映画調整部 契約管理室
山田 祥子

製作委員会方式が主流の昨今、社内外のプロデューサーとさまざまな権利に関して、打合せや交渉を重ねることで、契約書は完成しています。東宝は配給する作品も多く、たくさんの方とのコミュニケーション力が必要です。また、著作権がある限りコンテンツとして映画はさまざまな形で運用され、収入が上がります。幹事を務めた作品の場合、上映後も製作者へ収益配分が履行される環境を整えるのも重要な仕事です。次の作品につながる原動力になるかもしれませんから!